第1章

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      伊原は今、この大松カンパニーの外食部門の一部を買収しようと画策している。 先方にしてみれば、業績が伸び悩んでいる中での買収は決して悪い話ではないだろう。 「この買収が形になったら二ヶ月後のパーティで発表したいんだよね。どう思う?」 「丁度良い機会だと思います。業界の方も多数お見えになりますし」 「そうだな」 そう言って、伊原は満足そうに笑った。 出来る男と言うのは色気がある。この伊原だって例外ではない だけど、わたしはどうしても高谷と伊原を比べてしまうのだ。 「西森さん、これからの予定は?」 「この後、何も予定は無いはずですが」 「いや、君のだよ」
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