大漁旗を振りかざせっ!

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 どうやら俺は……つかれやすいらしい。 「決まった―っ!」  思いもよらぬ展開に目を丸くする。 「角田……先輩……」  細すぎる体。今回の企画に参加すると言い出した時、本気で引き止めた。そんな営業部担当の角田茂生(かくた・しげお)先輩が、ジャーマンスープレックスという大技を決め、会場は一瞬打ち水を放ったみたいに静まり返った。  次いで訪れたのは……大歓声の嵐! そんな中、俺はアイツが心配になった。 「祐介……」  同期の浜中祐介(はまなか・ゆうすけ)は、同い年の27才。かつてはプロの選手として試合にも出ていた過去を持つ。いわば経験者だ。  そんな祐介を軽々と倒すなんて。角田先輩……あんた……この陸奥屋で、ナンバーワンやでっ! 「おい! 担架!」 「いや、自分が運ぶっす」  大袈裟にしたくない。それに祐介の事だから、きちんと受け身は取れているだろう。
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