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詩「……さて。帰ろうか」
心「なに言ってるの。まだ何もやってないわよ」
詩「後は任せたよ。心。私はもう体力の限界だからね」
心「山を10分くらい登っただけじゃない」
詩「心ちゃんのお弁当食べ損ねちゃったから、私にはもうエネルギーがないんだよ」
心「ならここで食べるといいわ。お茶もあるから」
詩「おお。気が利くね。心ちゃん」
それから心ちゃんのお弁当を食べ。
既に筋肉痛で痛み出した体を動かしながら、イヤイヤ展望台の掃除をした。
心「1時間。意外とかからなかったわね」
詩「うぅ。こんなに長時間掃除をしたのは生まれて初めてです……」
心「じゃ。学園に戻ろうかしら」
詩「その前に、お飲み物を頂ければなと」
心「ああ。お茶はもうないわね……。詩が全部飲んじゃったでしょ」
詩「そーなのぉ」
心「そうよ。学園まで我慢しなさい」
詩「無理です。途中でくたばります」
心「そんな事言われても……。そうだ。確か展望台に来る途中の別れ道の先に、自動販売機があった気がするわ」
詩「それだ。早く買いに行くよ」
山を下る。
学園までの道の途中で、左に曲がる。
目当ての自販機はすぐに見つかった。
詩「ふぅ♪ 詩はファンタスティックグレープで体力を回復しました」
心「何でこんな場所に自販機があるのかしら。この先は山を越えるまで、ずっと一本道が続くだけよね……」
人気のない山道。アスファルトで舗装され、車がやっと2台通れるほどの幅があるが、白線の綺麗さから推測すると、車が通る事もめったになさそうだ。
詩「私達のために、神様が置いてくれてたんだよ」
心「うぅん……。よく分からないけど。まぁいいわ」
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