■プロローグ

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詩「……さて。帰ろうか」 心「なに言ってるの。まだ何もやってないわよ」 詩「後は任せたよ。心。私はもう体力の限界だからね」 心「山を10分くらい登っただけじゃない」 詩「心ちゃんのお弁当食べ損ねちゃったから、私にはもうエネルギーがないんだよ」 心「ならここで食べるといいわ。お茶もあるから」 詩「おお。気が利くね。心ちゃん」 それから心ちゃんのお弁当を食べ。 既に筋肉痛で痛み出した体を動かしながら、イヤイヤ展望台の掃除をした。 心「1時間。意外とかからなかったわね」 詩「うぅ。こんなに長時間掃除をしたのは生まれて初めてです……」 心「じゃ。学園に戻ろうかしら」 詩「その前に、お飲み物を頂ければなと」 心「ああ。お茶はもうないわね……。詩が全部飲んじゃったでしょ」 詩「そーなのぉ」 心「そうよ。学園まで我慢しなさい」 詩「無理です。途中でくたばります」 心「そんな事言われても……。そうだ。確か展望台に来る途中の別れ道の先に、自動販売機があった気がするわ」 詩「それだ。早く買いに行くよ」 山を下る。 学園までの道の途中で、左に曲がる。 目当ての自販機はすぐに見つかった。 詩「ふぅ♪ 詩はファンタスティックグレープで体力を回復しました」 心「何でこんな場所に自販機があるのかしら。この先は山を越えるまで、ずっと一本道が続くだけよね……」 人気のない山道。アスファルトで舗装され、車がやっと2台通れるほどの幅があるが、白線の綺麗さから推測すると、車が通る事もめったになさそうだ。 詩「私達のために、神様が置いてくれてたんだよ」 心「うぅん……。よく分からないけど。まぁいいわ」
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