■プロローグ

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詩「8月になったのに、やっぱり誰も来ないね」 心「……そりゃ、暑いし。わざわざ丘の上にあるこの学園まで足を運ぶ人なんて、いないでしょう」 詩「暑いからこそ、来たいと思わないのかな」 心「みんな普通に、家で涼んでるんでしょ」 詩「く……、金持ちが。私なんて、毎日節約してるのに」 心「アルバイトすればいいじゃない」 詩「やだ。疲れるし」 心「あなたこの前、ダイエットするって言ってなかったっけ? そんなんじゃ、肥える一方よ」 詩「ひどーい! 体重は増えてません、1日2食でカロリー減らす努力はしてるの」 心「……このくそ暑い中、そんなことしてたら、体力なくなってすぐにぶっ倒れるわよ。もっとちゃんと栄養とりなさい」 詩「私には心ちゃんていう栄養士がいるから大丈夫だもん」 心「毎日栄養バランスを考える事になる私の身にもなって」 詩「お弁当作ってもらうのって、迷惑かな。心ちゃん、私のために毎日作ってくれてるもんね……」 心「別にかまわないわ。あなたは私の可愛い犬だもの。あなたの躾は私の役目。それに、私にとって料理なんて、お隣に回覧板を届けるのと変わらないぐらいの些細な手間だし」 詩「さすが心ちゃん! それでこそ私の親友だよ」 心「ええ。そうね」 こんな具合に。休みに入ってから、平日は毎日のように、私達は学園の図書室に入り浸っていた。 ?「……あんたらの会話ってアホみたいね」 心「ん」 詩「げ。アミノさんが来た」 ?「だれがアミノ酸よ」 心「初登場ね。紹介するわ。アミノ酸こと、柴門阿美(さいもんあみ)さんよ。ちなみに、私達3人とも同じクラスで、幼なじみよ」 阿「心、あんた誰に説明してるのよ?」 心「気にしないで」
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