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詩「8月になったのに、やっぱり誰も来ないね」
心「……そりゃ、暑いし。わざわざ丘の上にあるこの学園まで足を運ぶ人なんて、いないでしょう」
詩「暑いからこそ、来たいと思わないのかな」
心「みんな普通に、家で涼んでるんでしょ」
詩「く……、金持ちが。私なんて、毎日節約してるのに」
心「アルバイトすればいいじゃない」
詩「やだ。疲れるし」
心「あなたこの前、ダイエットするって言ってなかったっけ? そんなんじゃ、肥える一方よ」
詩「ひどーい! 体重は増えてません、1日2食でカロリー減らす努力はしてるの」
心「……このくそ暑い中、そんなことしてたら、体力なくなってすぐにぶっ倒れるわよ。もっとちゃんと栄養とりなさい」
詩「私には心ちゃんていう栄養士がいるから大丈夫だもん」
心「毎日栄養バランスを考える事になる私の身にもなって」
詩「お弁当作ってもらうのって、迷惑かな。心ちゃん、私のために毎日作ってくれてるもんね……」
心「別にかまわないわ。あなたは私の可愛い犬だもの。あなたの躾は私の役目。それに、私にとって料理なんて、お隣に回覧板を届けるのと変わらないぐらいの些細な手間だし」
詩「さすが心ちゃん! それでこそ私の親友だよ」
心「ええ。そうね」
こんな具合に。休みに入ってから、平日は毎日のように、私達は学園の図書室に入り浸っていた。
?「……あんたらの会話ってアホみたいね」
心「ん」
詩「げ。アミノさんが来た」
?「だれがアミノ酸よ」
心「初登場ね。紹介するわ。アミノ酸こと、柴門阿美(さいもんあみ)さんよ。ちなみに、私達3人とも同じクラスで、幼なじみよ」
阿「心、あんた誰に説明してるのよ?」
心「気にしないで」
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