御注文はあなた

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 ◆◆◆  でも、この危機的状況は変わらずで。 「店長、独立されるんですよね?」 「ええ」 「そちらでもアルバイト、募集されますか?」 「それは……」  色々考え、軌道に乗るまでは、一人でやろうと決めていた。手伝いを頼むとしたら、身内にしようと思っていた。 「私、夢だったんです!」  莉乃君は更に更に近付いて来る。 「ケーキ屋さんになるの!」  もうどうしようもないくらいに近い。 「困りましたね」 「店長?」  課長に心の中で詫びながら、腕を広げる。 「私だって……こう見えて男なんですよ?」  小さな体をすっぽり包むと、ため息をついた。 「店長……」  認めるのが恐かった。ふたまわりも年下の少女に恋をしてしまったなんて。 「店長」 「はい」  真っ暗な天井を仰ぐのをどうにか止めると、莉乃君を見つめる。 「お祭り、行きたいです」 「え?」
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