第3章

1/3
前へ
/21ページ
次へ

第3章

少年は今病院にいる。 時刻は午前10時をまわり、太陽がある程度の高さまで昇り己の存在を誇示している。 少年が病院に来たのは桃城由花のお見舞いのためである。 午前9時ぐらいに家を発ち、バスなどの公共機関を利用して一時間程でここに着く。 病院内のなかは冷房がかなり効いており、少し汗をかいていた少年には快適だった。反面、患者に対しては悪影響では?と少年は思う。 「桃城由花さんは」 受け付けをしている女性がpcを操作し入院患者で由花の名前を探す。 「えと…506号室ですね」 「ども」 少年は女性に対し一礼、女性は少年に対して営業スマイルで一礼。 営業スマイルをすぐに作れる大人の女性って怖いなと思いつつ、少年は506号室に急いだ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加