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5階フロア、506室前のあるネームプレートを念のため確認する。
桃城由花…ここの病室で間違いないようだ。
コンコン
少年はドアをノックする。
「どうぞ」
聞き覚えのある声が少年の耳に届く。いつもより元気がない…まああんな事があったばかりだから仕方がないか。
ガラガラ
ドアを横に引いてから病室に入る。
病室の中は白。
壁や床は全て清潔感のある白色で統一され、ベッドのシーツも交換されたばかりなのか汚れ全くない白だった。
白という色は「純潔」「清廉」などの不浄のイメージが強く、病院が潔癖というイメージは案外色のせいなのかもしれない。
「よぉ」
片手を上げて一言挨拶し、少年は続ける。
「大丈夫…ではないよな」
「まぁ…ね」
パッと見の外見ではケガはあまりないように見える。所々にガーゼや包帯などが巻かれているがギブスなどはしていない。少なくとも手足は骨折してないようだ。右手から点滴をしている以外は特別目立っているとこはない。
「まさかあんたが来てくれるとは思わなかった」
と由花は皮肉を言いつつもその顔は笑っている。
「そりゃあ来るに決まってるだろ…イス借りるぞ」
「あ、うん」
壁に立てかけてあった組み立て式のパイプイスを拝借する。
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