第2章

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図書室の外から廊下を走る音が耳に入るが少年は無視し、カナの意思に返答をだす。 「気持ちは嬉しい…でもゴメン」 ただ一言、頭を下げる。 そう…ですか、と言ったカナの声は震えている。少年は罪悪感を覚えながら続ける。 「桜井さんはさ…普通に可愛いさよ。でもさ」 その先の言葉を遮ってカナが言う。 「いいんです…実はなんとなくわかってましたから」 カナの瞳から一筋の涙。 「別に好きな方がいるんですよね」 涙を流しながらもぎこちないな笑みを作り。 「あなたのことが好きだからこそ…それはわかってましたから」 「そっか」 「ありがとうございます…これで気持ちの整理が付きました」 「そっか」 カナは最後に一言言う。 「あなたも…頑張ってください」 そう言ってカナは図書室を出て行った。 少年は数分後に図書室を施錠、図書室を後にした。
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