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図書室の外から廊下を走る音が耳に入るが少年は無視し、カナの意思に返答をだす。
「気持ちは嬉しい…でもゴメン」
ただ一言、頭を下げる。
そう…ですか、と言ったカナの声は震えている。少年は罪悪感を覚えながら続ける。
「桜井さんはさ…普通に可愛いさよ。でもさ」
その先の言葉を遮ってカナが言う。
「いいんです…実はなんとなくわかってましたから」
カナの瞳から一筋の涙。
「別に好きな方がいるんですよね」
涙を流しながらもぎこちないな笑みを作り。
「あなたのことが好きだからこそ…それはわかってましたから」
「そっか」
「ありがとうございます…これで気持ちの整理が付きました」
「そっか」
カナは最後に一言言う。
「あなたも…頑張ってください」
そう言ってカナは図書室を出て行った。
少年は数分後に図書室を施錠、図書室を後にした。
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