グラスホッパー

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 ギュウ 「ついに、ついに俺を乗せてくれる女の人が!」  いい女だ。思い切り抱きつかれちまうのも仕方がねぇわな。 「きゃあ!」  ドスン 「あぶっ」  当然、背から振り落とされて尻餅だ。 「あ、あなた!どういうつもりです!」  キキッ! 「いたぞ!こっちだ!」  そこにベコベコの盗難車が何台かやってきた。  バタタン!  中から現れたチンピラ達は拳銃を持ってる。  前に出たのは、スーツを着崩した顎鬚の男だ。 「手こずらせたな、裏切り者め」 「非情に不本意な物言いですわ。ゼブ室長」  おどおどしてたはずのシスター目が鋭くなる。訳有りだ。 「ローカストの財宝はどこだ?」 「そんなものはございません!まだ彼女から奪うつもりですか!」 「よく言うぜ。来い!」  ヒュン!ビシッ!  掴む手を払う義足。 「てっ!なんだ小僧……」  ガッ  顎鬚に直撃したのは、プロテクターつきの跳び膝蹴り。 「遥か東の国ではバッタはヒーローなんだぜ」  バック転して両足を踏みしめる。  ボッ  低空のミサイルがシスターを抱えて路地に消えた。
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