「賭けの代償」

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『あらゆる可能性を排除し、残ったのがどんなに奇妙な答えでも、それが一番正解に近い』 この言葉は有名な名探偵が作中で言った台詞。 でも、その可能性を排除していく過程で、少しずれた考えをしてしまったら、間違えた答えをしまったら、どんなに悩んだ所で答えは導き出せない。 その答えは、限りなく正解からずれているはずだから。 また出した答えが、たとえ正解だとしても、あまりに奇妙なモノ過ぎたら、受け入れられないはずだ。 だって、ヒトは理想が高い生き物だから。 ようするに何に対しても『正解』なんてこの世界に存在しないんだと思う。 みんなが納得できる物語が存在しないのと同じように。 全てが簡単に、数学のような公式で解ける問題だったらみんな苦労しない。 どんなモノにも公式を当てはめるだけの平淡な人生になってしまう。 また、そんな世界だったら、こんなに誰かを愛しく思う気持ちなんて生まれなかったはずた。 だから、結局、人の気持ちを公式に当てはめることなんて無理なことなんだと思う。 だからどんなに正しいものでも『正解』なんてない。 だって、つまらないでしょ? 特に『恋愛』に関しては。
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