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それからは、毎日が怒濤の勢いで過ぎていった。
斉藤さんは本来なら私は立ち入ることのできない、商品開発の現場にも立ち合わせてくれた。
工場にも入り、職人さんたちの熱意も目の当たりにし、それはそのまま自分の仕事への意欲となった。
私と斉藤さんは通常の業務の合間に何度も桜屋デパートへ足を運び、こちらの思いを訴えた。
そして、私たちの思いはとうとう通じた。
香の露が桜屋デパートに置かれることになったのだ。
それは三年前、祐でさえも成し得なかったことだった。
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