重なる想いと二人が得たもの

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週明けのオフィスはいつも慌ただしく、時間が過ぎるのも早い。 もうあと二時間ほどで定時だ。 私はちょっと一息入れようと、休憩所へと向かった。 「あ……」 自販機の前で出くわしたのは坂崎。 今日、坂崎は朝から立て続けに会議が入っていて、きちんと顔を合わせたのはこれが初めてだった。 「お疲れさま。会議終わったの?」 「ああ、やっと。さすがに疲れたから休憩」 そう言うと、はい、と坂崎が飲んでいるのと同じカフェオレを渡された。 「あ、ありがと……」 やっぱり……、どうしても照れくさい。 当たり前だけど、私は社内恋愛の経験がない。 どうしよう私、最初からこんなに意識していたら、この先身が持たないかもしれない……。
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