重なる想いと二人が得たもの

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「ふたば、すげー挙動不審」 「ちょっと、ここ会社!」 だれも来ないよ、なんて言って坂崎はケロッとしてる。 というか、たぶんからかわれてる、私。 さすがにムカついて、何か言い返してやろうと身構えたその時――― 「おっ、お前らいい所にいた! ジュースじゃんけんやろうぜぇ!!」 パーテーションの向こうから、菱田部長がひょこっと顔を出した。 「部長~、見ればわかるでしょ? もう飲んだ後ですよ」 「すみません、私もです」 「なんだよ、なんだよ。お前らつれないな~」 そこで部長は、私と坂崎の顔を交互に見比べて、はた、と動きを止めた。 「……なんだよお前ら。そういうコト?」 「はい?」 部長の言っていることの意味がわからなくて、私は聞き返した。
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