重なる想いと二人が得たもの

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自分のデスクに戻ると、閉じていたノートパソコンに何枚か付箋が貼ってあった。 「あ、紺野さん、ヤマト食品の近藤さんからお電話ありましたよ~」 「ありがと、ヤノケン」 隣の席のヤノケンに顔を向けると、反対にじっと顔を覗きこまれた。 「紺野さん、どうかしたんすか?」 「え? どうもしないよ」 「それならいいんすけど……」 ポリポリとヤノケンは頭を掻く。 まあね、私も坂崎もいい年だし、坂崎はタダでさえもてるし、そういうのもわからなくはない。 私と付き合う前の話だし、私が怒るのは筋違いだってのもわかってる。 でも、このモヤモヤっとした感じはなんだろう? ああ、誰かと付き合うってこういうことだよね。 どうにもならない相手の過去まで束縛したくなる。 すっかり自分の中から抜けていた感覚を久々に思い出して、私は自分が今まさに恋愛の直中にいるのだということを思い知った。
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