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目が覚めると、遮光カーテンの細い隙間から、強い夏の日射しが入り込んでいた。
見慣れた自分の部屋とは違う眺めに一瞬焦ったけど、すぐに強烈なフラッシュバックが私を襲う。
夕べ、優しかったのは最初だけで、時間が経てば経つほど容赦なく攻め立てる坂崎に音を上げた時は、確かもう部屋の中は薄っすらと明るくなっていた。
さすがに8年分は、重かった。
今日が日曜日で良かった、ホントに。
当の本人は、私の隣、狭いシングルベッドの中でスヤスヤ眠っている。
でも、何度も私を求めて手を伸ばしてくる坂崎を、私は拒めなかった。
誰かに、坂崎にこうして欲されることに飢えていたのは、本当は私の方だったのかもしれない。
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