重なる想いと二人が得たもの

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なんて、昨日の余韻に頬を赤らめていると、寝ていたはずの坂崎が突然パチッと目を開けた。 「おはよう、紺野」 「おっ、おはよう」 初めてみる寝起きの坂崎は、ボーッとしていて焦点も定まっていなくて……なんだか可愛い。 会社では見せたことのないこの表情も、今は私が独占してるんだ。 そんなことを考えていたら、自然と表情が緩んでいたらしい。 「……なんだ、久々でどんなにしんどそうにしてるかと思えば、案外余裕だね、紺野。 なんなら、今からもう一回……」 「いやいやいや、もー十分だから」 またしても、手を伸ばしてくる坂崎を私は必死で押し退けた。 「……坂崎って、こんな人だったっけ?」 「どういう意味?」 坂崎はサイドテーブルに置いていた眼鏡をかけ、右腕を枕に、寝そべったままで私を見上げた。
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