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「で、どうなの?
ちゃんとやれそう? 斉藤さんと」
はい、と祐に渡されたマグカップを受けとる。
冷房の効いた涼しい部屋で飲む暖かく甘いカフェオレは、斉藤さんから投げつけられた言葉でささくれ立った心と体をゆっくり解きほぐしていく。
二人で過ごす幾度かの週末は、私が彼の下の名前を呼び捨てにできるほどに二人の距離を近づけた。
「はっきり言って、自信ない」
そう言って私は深くため息を吐いた。
どうして斉藤さんはあんなにも頑ななんだろう?
彼が放つ一方的な言葉の数々は、全ての女性に向けられたものなのか、それとも私だけを向いているのか、それすらもわからなかった。
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