キミは未来を見据えているか

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あの時、何かをうやむやにされた気がしたのは気のせいだろうか。 私は、数日前の祐の様子を思い出しては、引っ掛かりを感じていた。 「何やってんですか紺野さん、行きますよ!」 「は、はい。すみません」 これから、初めて斉藤さんと二人で桜屋デパートを訪問する。 祐が大方進めていてくれたお陰で、桜屋との契約はあと少しのところまで来ていた。 ……この日、斉藤さんがこんなことを言い出すまでは。 「ですから部長、こちらの商品の方が絶対に売れると思うんです!」 斉藤さんは、渋い顔をした桜屋デパートの島田部長(安藤さんの後任だ)に尚も詰め寄っていた。
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