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私はといえば、事前に聞いていなかった突然の商品変更に戸惑っていた。
「しかし、坂崎君との話では、大方商品は出来上がっていたじゃないか。
どうして今さら変更なんだ?」
斉藤さんが必死に勧めているのは、祐が提案していたものよりも質もいいが、値段も高いもの。
香の露の一級品だった。
「この商品は、弊社の創業当時からの努力と研究の賜物です。
絶対に桜屋デパートのお客様にもご満足いただけます!」
「……しかし、このご時世にそんな高い値段設定で消費者に受け入れられるとは思えませんよ、斉藤さん。」
結局この日は平行線に終り、私たちは虚しく帰社の途に就いた。
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