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結局、昨日は日が暮れるまで坂崎の部屋で過ごし、彼に車で送られて帰ってきた。
部屋に戻り、すっかり存在を忘れていた携帯を取り出すと、鬼のように香からの着信とメールが入っていた。
各務さんと帰ったと思っているはずの香に電話で説明する自信もなく、『明日ちゃんと話す』とだけメールしておいた。
香からの返事は『わかりました』の一言だけ。
あんなに口うるさい香からのシンプル且つ丁寧な返事に背筋がぞっとしたのは言うまでもない。
坂崎とこうなってしまって、社内で普通にできるだろうかとか、香にはどうやって説明しようとかぐるぐる考えていたら、いつもよりもだいぶ早く出社してしまった。
未だ考えのまとまらない私は、様々な不安を背中に背負って週明けのまだ静かなオフィスのドアをそっと開けた。
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