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「……はぁ?」
香は訳がわからないって顔をしてる。
一体どこからどうやって話せば、この濃密な週末の出来事をわかってもらえるんだろう。
私が口ごもっていると、
「ああ~、そう。そうなの。まあ、良かったじゃない。
うん、良かった良かった。私も嬉しいわ、ほんと……」
「かっ、香!? どうしたの?」
目の前で急に涙ぐむ香にびっくりしてしまった。
「だっ、だってぇ、どんだけ私があんたたちのこと心配して心を砕いてやったと思ってんのよー!
あんたも坂崎ものんびりしすぎなのよぅー」
いつだって勝ち気な香がしゃくりあげるのを見て、私まで涙が溢れそうになる。
冗談混じりで煽られてるんだとばかり思っていたけど、香はずっと心配していてくれたんだ。
……たぶん、秦野さんとのことがあってからずっと。
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