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「それにしても私もおめでたいわよね。
祐が私のこと今でも引きずってるなんて思い込んでたなんて。
祐には、とっくにあなたがいたのに。
聞いたわよ。祐、一目惚れだったんですって?」
「ええっ!? 知らないです、そんなこと……」
かああっ、と自分の顔が赤くなっていくのがわかった。
「あら、そうなの?
祐ったら、私の結婚のことといい、肝心なことは何も紺野さんに話してないじゃない!!」
確かに、そんな大切なこと、安藤さんに言うくらいなら、まず私に聞かせて欲しい……。
「ぷっ、きっと照れくさいのね。
紺野さんから尋ねてみなさいよ!」
「そ、そんなけしかけないでくださいよ、安藤さん……」
さっきまでの緊張が嘘のように消えて、気づくと私は、ごく自然に彼女との会話を楽しんでいた。
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