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「私は桜屋を変えていきたいと思っているの。
そして彼は少なくともそこには同意してくれてるわ。
彼のこと好きになれるかどうかはまだわからないけれど、ビジネスパートナーとしてはきっとうまくいくと思う」
「……それを聞いて僕は喜ぶべきなのか、微妙だね」
割り込んできた声に驚いて顔を上げると、品のいいスーツに身を包んだ男性が安藤さんの隣に立っていた。
「柏野! ここで一体何してるの?」
「何って、打ち合わせをすっぽかしたのは貴女でしょう」
「……ああ、ごめん! あんたのことなんてすっかり忘れてたわ」
悪びれもせずそう言う安藤さんに少し驚く。
「安藤さん、ひょっとしてこの方が……」
「ええ、彼が一応私の夫になる予定の人よ」
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