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「なあに、それ。
戦友なんて最高の褒め言葉じゃない! 何か文句でもあるの?」
なんて言って憮然としている。
……安藤さんってもしかしなくても、天然、なのかもしれない。
私は込み上げてくる笑いを堪えるのに必死だった。
「でも……ちょっと意外でした。
まさか安藤さんのお相手が社内の方だったなんて」
私はてっきり桜屋の有力な取引先のご子息が、安藤さんのお父様が選んだお相手だと思い込んでいたのだ。
「そうね、私も政略結婚めいたことでもさせられるのかと思ってたけど……。
それに比べたらマシな方だわ、柏野なら」
「ほんっとに貴女は……」
柏野さんは困り果てた顔をしてるけど、安藤さんを見つめる瞳は限りなく優しい。
案外、いいコンビになれるんじゃないだろうか、この二人なら。
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