キミは未来を見据えているか-2

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10月の最初の週、桜屋デパートのお客様ご招待会で、香の露は目玉の限定商品として売り出されることになった。 通常なら、外部のマネキンさん(試食販売をする人)を雇って、当日の売場を担当してもらうのだが、今回だけは私も斉藤さんも会社に頼み込んで、直々に売場対応をさせてもらえることになった。 「斉藤さん、エプロン似合ってますよ」 会社での斉藤さんは大抵白衣を着ている。 初めてみるエプロン姿はなんだかとってもキュートだった。 「……っ!? 紺野さんからかうのはやめてくださいよ。 ただでさえ緊張してるのに……」 クスクスと私は笑いを零す。 数ヵ月前なら、絶対に考えられなかったことだ。 私と斎藤さんが笑って話してるなんて。 言い様のない達成感が私の心と体を満たしていた。
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