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「辞めるも何も、そんな話一切ありませんからっっ!!」
私は店員さんに借りた布巾で、ヤノケンが零してしまったビールをごしごしと拭った。
「えー!? 嘘だぁ!!」
斉藤さんを除く三人の声がピタリと合う。
こんな時だけ仲良しになるんだ、彼らは。
「マジで坂崎課長プロポーズとかしてないんっすか!?」
「だから、そう言ってるじゃない!!」
「意外だなあ! いや、待てよ。
あいつなら、先に既成事実を作ってとかやりかねんし……」
「部長っ!?」
どんどんエスカレートする菱田部長に斉藤さんは細い目を精一杯丸くして固まってしまった。
「でも、紺野さんだって少しは意識してるっすよね!?
だってほら、明日は……」
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