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「三十歳の誕生日っ!!」
……もう聞きたくなかった、その三重奏。
私は怒りに任せて、グショグショに濡れた布巾をヤノケンのお腹の辺りに投げつけた。
「ちょっ!? ひどいっすよ紺野さん!!」
「きゃああっっ!?」
ヤノケンが振り払った布巾が隣の萌乃ちゃんの膝の上に飛ぶ。
「うるさい!! みんなしてどうして余計なことばっか言うのよっ!?」
「だからって、なんでいつも僕に当たるんすかっ!?」
「そんなのわかんないわよ!
いつもヤノケンがちょうどいい所にいるのが悪いんじゃない!!」
「あーーっ、もう。お前らうるせえなあっ!!」
……喧喧囂囂(ケンケンゴウゴウ)。
お酒も入っているせいで、その場はひどくなるばかり。
でも、その時――、
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