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「いらっしゃいませ!」
普段は開発室に籠りっぱなしで、ほとんど社外の人と接する機会のない斉藤さんもはつらつと接客している。
「自信のある商品だから、私は絶対に売り切ってみせます!」とオープン前に豪語していただけあって、斉藤さんは私の出る幕なんてないくらい順調に香の露を売りさばいていた。
「紺野さん、今のうちに休憩行ってきてください」
お昼をだいぶ過ぎて、ようやくお客様の波も一段落した。
私は斉藤さんに甘えて先に休憩を取らせてもらうことにした。
イベントが行われている八階から地下一階へ。
何か食べるものを買おうと従業員用のエレベーターに乗り込むと、二階で見覚えのある女性が乗り込んできた。
ふと、視線が絡む。
「あなた、……紺野さん?」
「……その節は、大変失礼をいたしました、安藤さん」
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