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「ああ、紺野様は今日がお誕生日でいらっしゃいましたね。
お客様の星座のてんびん座は夏の星座ですね」
「……え!?」
スラスラと話す長谷川さんに、違和感を覚えた。
宿帳には祐が記入していたのに……。
私の分まで書かなきゃいけなかったのかな?
「……長谷川、ドジ!」
「坂崎、わりぃ」
長谷川さんは慌てて、祐に向かって両手を合わせて謝っていた。
「長谷川は俺の高校の同級生。
俺と同じ天文部だったんだ」
「黙っていてすみません、紺野さん」
長谷川さんは、ポリポリと頭を掻いている。
「お前ホント、ドジ!
高校の頃も部長のくせに合宿に望遠鏡持って行くの忘れたりしてさ。
全然成長してないな」
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