861人が本棚に入れています
本棚に追加
「着いたよ、ふたば」
祐に肩を揺すられて、目が覚めた。
考え事をしながら、いつの間にか眠っていたらしい。
「ごっ、ごめん!
寝ちゃってたね、私」
焦って目を擦る私を覗き込んで、祐はクスリと笑みを零した。
「な、何?」
「いや、いいんだ。さあ、行こう」
促され、車の外へ一歩踏み出す。
「……わあ!」
目に飛び込んで来たのは、一面の緑とその隙間から覗く赤い屋根。
そして、白い球体?
「今日はここに泊まる。
あれは、天文台だよ」
祐に手を引かれ、私たちはその建物に向かって歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!