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「全く、前代未聞だよ。新郎新婦が控え室に籠城するなんて!!」
「だから、悪かったって」
あの後も、祐はなかなか私を離してくれなくて(しかも祐は、私が気づかないうちにちゃっかりドアに鍵をかけていたらしい)、私と祐は、挙式の準備を終えて待っていた長谷川さんに散々怒られた。
……彼がようやく控え室から出てきた私の顔を見て、すぐにメイク担当スタッフを呼び出したのは言うまでもない。
「さあ、皆さん用意はいいですか?
はじめますよ! ……あ、あれっ!?」
その時、ほんの数十秒ほどだけど、晴れ渡っているはずの空から、さーっと雨が降ってきた。
私たちには、スタッフの手によって、素早く傘が差しかけられる。
「何? ……これって、お天気雨?」
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