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「やっぱり、日頃の坂崎の行いがなあ……」
「なんだよ長谷川、俺のせいみたいに言うなよ」
「や、だって坂崎のせいでしょう。
式の直前にあんな……」
「ちょっ、長谷川っ! それ以上ここで言うなよっ」
私の隣で、モーニングを着た父が何事かと首を傾げた。
さすがの祐も、父のことが気になるんだろう。
長谷川さんの冷やかしを止めようと躍起になっている。
まるで高校生の頃に戻ったような祐と長谷川さんのやり取りに、思わずくすりと笑いが零れた。
ひょっとしたらこれも長谷川さん流の気遣いなのかもしれない。
私も祐も、いざ式場を前にすると、緊張でガチガチになってしまったから。
おかげで祐も私も、いつもの表情を取り戻せてる。
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