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「……ああ、もう雨も止んだようですね。
坂崎もふたばさんも心の準備はいい?
そろそろ会場に入りましょう!」
……いよいよだ。
とうとう私たちの結婚式が始まる。
祐が先に一人祭壇の前へと歩いて行くのを、私は父と一緒に見守った。
「皆様、新婦の入場です!」
まるで森の中の広場のようなホテルの中庭に設えられたチャペルの中に、司会を務める長谷川さんの声が響く。
父に手を引かれ、純白のウエディングドレスに身を包んだ私が姿を現すと、チャペル内に歓声が響いた。
濃い緑の芝生の上には、参列者席に添って様々な色の花が並べられ、美しい花のバージンロードが作られていた。
先ほどの通り雨のおかげで、緑はよりクリーンになり、私の目に映る世界の全てがキラキラと煌めいて見える。
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