801人が本棚に入れています
本棚に追加
「失礼します!」
と息を切らして駆け込んできたのは、今日はプランナーとして新郎側の付き添いをしてくれる長谷川さんと、挙式用のタキシードに身を包んだ祐だった。
細身で光沢のある黒に近いグレーのタキシードは、長身の祐によく映えていた。
丁寧にサイドを撫で付けたヘアースタイルも、普段とはまた違い、よく似合っている。
祐は私のウエディングドレス姿に素早く視線を這わせると、満足そうに右の口角を上げた。
……その瞳が、僅かに色を帯びたような気がしたのは、私の気のせい?
訳もなく心臓が早鐘を打つ。
「皆さん、何とかガーデンでの挙式ができそうです。
これから急いで用意をしますので、よろしくお願いします!」
長谷川さんの言葉に、皆が色めき立った。
最初のコメントを投稿しよう!