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「おはよう、誠一郎さん」
「おはようございます、お母さん」
お母さんは今日も朝から完璧な化粧と笑顔で、僕を食卓へ迎えてくれる。
僕はお母さんに感謝した。
おいしい朝食に心地好い笑顔、
そして何より、一日の始まりからスッピンを見せられることがない――毎日本当にありがとう!
「どうしたの? 誠一郎さん?」
「今ね、お母さんにとても感謝していたんだよ、毎日本当にありがとう」
「あら――ふふふ、本当に誠一郎さんは良い子ね。私の方こそ感謝しているわ」
目じりに皺を浮かべ、朗らかに笑うお母さんに、自然と僕も笑顔で応えた。
――今日も幸せの予感がする!
それは確信と言っても過言ではない。
だって僕には、生まれてから一度も不幸が訪れたことが無いんだもの。
僕は今日訪れる幸福に期待を膨らませながら、
学校へと向かう。
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