氷の女神

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「何をなさるのですか!」 「わからぬ」  もう彼は振り返らない。 フェリスは、突如巨人の周りに、炎の竜巻が湧き上がるのを見た。 思わず彼女は悲鳴を上げた。 今、ここを去ろうとしているのは、先程まで彼女と言葉を交わしていた男ではなく、戦場へ向かう戦士だった。  フェリスはただ震えながら、立ち去る戦士の背中を見送るしかできなかった。
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