氷の女神

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「俺はどこへ行けばいい」  またシ・ルシオンは、リーファが泣きやむのを待った。 立ちすくんだまま嗚咽を続けていたが、ようやく彼女は笑顔を見せた。 「西方のバザ」  ビシュラ辺境の都市である。 「マイクラ・シテアは、そこにいます」 「バザか」  シ・ルシオンは唸る様に呟いた。  彼はリーファに背を向け、もう歩き始めた。 熊革のマントが吹雪でバサバサとなびく。 「私も」 「足手まといだ」  もう彼には、新しい戦場しか見えていなかった。 リーファが入り込む隙は、もうなかった。
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