空飛ぶ船

9/9
前へ
/9ページ
次へ
 船が魔界門へさらに近付く。 すると、魔界門の中央に亀裂が走り、その隙間からどろどろとした黒い霧が漏れ始める。 もはや魔界門は、見下ろすほどに近くまで来ている。 「こじ開けよ!」  マイクラ・シテアは、狂った様に叫んだ。  その時、船の巨体を、真っ赤な閃光が串刺しにする。  船がふと止まる。 野望に向けて止まるはずのない船が、なぜか止まった。  マイクラ・シテアは、一瞬何が起こったのかわからない。  しばらく呆然とする。  そして気づいた。 「ドバイルめぇえぇえええ!」  船が、轟音と共に砕け散った。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加