第1章

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康岡「実はこのゲーム、軍事機密だったんだけど……まあ傍目からはゲームだし、すごく古臭いし、問題ないか。電源落とすのに爪楊枝使うなんて今の若い世代にはわからないよなあ……」 とぼやく内に腰の通信機にノイズが走る 斧崎『康岡、聞こえているなら応答しろ』 康岡「斧崎部隊長!?何の用でありますか!」 斧崎『ああ、当初の予定通り今日向こうさんと合流する』 康岡「部隊長、それは明日だと聞いたのでありますが……」 斧崎『……誰から伝達を聞いた?』 康岡「一谷ちゃん……じゃなくて一谷伍長でありあす!」 斧崎『あの馬鹿……まともな伝達も出来ない程ウチは落ちぶれたか……?』 康岡「彼女は新人ですしそう厳しくしなくても。確かにこの部隊、機巧を向こうに貸し渡してから人員は減らされた挙句人員再編成なんて憂き目にあってバイトの手を借りたい位凄いドタバタしてますが。っとそうです。今日、颯君来てたんです。彼、どうしましょう?貨物車両に荷物運びに向かってますよ?」 斧崎『確認する時間はない。今から出発する。後の事はお前に任せる。以上』 康岡「ちょっ……駆動音、本当に出発する気なのか!?佐神君乗ってなきゃいいんだけど……」 長く暗い地下道走行する。 颯(どーしよ、荷物運んでたらいきなり閉じ込められて出発したんだけど……超暗い、康岡さんのバカヤロー) 心の中で悪態をつくも何も変わらない 颯「とりあえず止まってくれないと何とも言えないよなあ……」 呟いた後しばらく黙る。そしてふと思い出す。 ゲームの余韻にだ。 颯(あれ何ていうゲームだろ。ぶっちゃけクソゲーだけど康岡さんに気付かなかったし熱中してたんだろうなー……アレ、いつの時代のゲームだろ。斧崎さん……に聞いても教えてくれそうにないし田辺さんか帰った時に康岡さんに聞けば教えてくれるかなー) 颯「それにしても早く目的地に着かないかなー」 一方人員輸送車両では 斧崎「まだ目的地には着かんのか」 柊木「斧崎部隊長、これで何度目ですか」 斧崎「柊木副隊長……そうは言うがな」 田辺「こう暗い中をずっと走ると気が滅入りますからねぇ……ひょっとして部隊長、暗所恐怖症ですかい?」 斧崎「馬鹿を言うな、運転に集中しろ」 田辺「へいへい」 柊木「仕方ありませんよ。我々は表立って動くことが出来ませんから。
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