第1章

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颯「右上方35m、敵、射撃くるぞ!!」 結弦「っ」 機体を半身にする。すると先ほどまで居た位置に言われた通りの方向から攻撃が飛来する。 結弦「お前……」 颯「油断するな。敵は3体居るんだ。次来るぞ!!」 結弦「……解っている!」 敵を追撃する 颯「左方2番機射撃来……さっきの奴が傘付きと合流した!波状来るぞ!!」 颯どうにか指示を飛ばすがいかんせん舌が回らない。 結弦「解っていると言っている!!」 同じ罵声だ。 颯(やれると思ったけど実際は指示するために声出さないといけないんだな…… そりゃ専門職も必要になる) そう思考した時、ぴくりと結弦が肩を震わす 結弦「……お前、まさか機巧の同乗者はヘッドセットを通して思考を共有できる事を知らんと言うのではあるまいな!?」 颯「それを早く言えぇええええええええ!!道理で土壇場で作った敵の識別名理解してるなと思ったよ!!」 結弦「思考してる事と喋る事が別々の内容なのに話すな!頭がごちゃごちゃする!!」 颯「す、すまん!」 結弦「謝るより先、敵の状況を報告!!」 颯「ああ!!」 思考の速度は理論上は光の速度だ。それと同じスピードで会話してるも同義だ。 機械でやることを人に強要しているから負担は大きいが慣れてくると指示とは別の余裕が生まれる。 颯(戦場なのに安心するのはコイツが真っ直ぐ操縦しているからなんだろうな) 結弦「褒めても何も出んぞ」 ボソッと口に出す。 颯(傘付き、狙うぞ) 結弦(言われるまでもない。元より全滅させるつもりだ!) 颯(そうか) もはや指示は必要ない、戦況の全てをリアルタイムで把握しているからだ。 敵の位置取りを予測し射撃を撃ち込む、肩を貫かれ体制を崩した隙を突き接近。 敵の胸部を拳で打ち抜き頭部ごと引き剥がす。敵は爆散する。 背後を取り、射撃してくる敵。しかしそれも予測済みだ。背面から倒れるように落ち、射撃。敵胸部中央を貫き爆散。 一谷「凄い……あれ、本当に佐神さんが?」 斧崎「解らん……が、これだけは確かだ。俺たちは奴等に勝てるぞ」 傘つきが射撃をばらまく。しかしそれを避け、受け流しながら接近する。 颯&結弦『これで終わりだ!!』 剣を抜刀し、胴を両断する。 敵胴体が先に地面へ激突し爆散、それを追うようにして下半身も激突寸前に爆散。 夕闇の群青と落ちる太陽、爆炎と爆煙。それを背負い彼らの機巧は大地に降り立った。
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