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「おーっ うまいな。君は近くにすんでるのか?」
「はい」
やはりオレだ。
「お父さん好きか」
そう聞くオレに 子どものオレは
「うん、ボク大好き」
と透き通るような笑顔で答えた。
「そうか、これはご褒美だ」
ポケットの個包装のあめ玉を渡す。
「うわーっ これ綺麗。こんなの見たことない。しかも 一つ一つ袋に入っている。凄い!」
そりゃそうだ。四十年も未来の あめだもの。
周りの子どもたちも 不思議そうに見つめている。
「おじさん ありがとう。じゃあこれあげる」
子どもの頃のオレは 画板にはさんであった 真っ赤な紅葉の葉っぱをくれた。
オレはそれを丁寧にポケットに入れた。
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