第1章

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  「今日も結局残業か。こう毎日だと やってられないな」  一人つぶやくオレ。  夕食は社員食堂ですませ、三時間の残業。  明日は久しぶりの休日だ。  帰宅途中のコンビニで いつもより多めに、カップ焼酎を買う。  そして帰宅。  シャワーを浴び疲れた身体を癒す。    パジャマに着替えたら これからがオレにとって至福のひとときだ。  まずは パジャマのポケットに個包装の あめ玉を数個いれる。  目覚めた時の 焼酎による喉のいがらっぽさをしずめるためだ。  そしてカップ焼酎を喰らいながらDVDを観る。給料の少ないオレにもこの程度のぜいたくは許されてもいいだろう。  数日前に借りたDVDのなかで 気になったこの作品。  いつもは観ないSF作品に なぜか心ひかれた。  タイトルは『時と少年』   作品の説明によると、主人公がタイムスリップして 子どもの頃の自分に出会うというストーリーだとか。  どこにでもある話だ。  どう観せてくれるやら。  まずはカップ焼酎をあおる。  うまい!  のどから胃へと刺激が伝わる。  とりあえず この一本をあけてから観るか。  とはいうものの すぐに一本目は空になる。  二本目の蓋を開け、DVDを入れ スイッチを押した。    その時、家中の電気が消えた。  停電か?  だか わずかの時間で 明るくなった。
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