第百十五話、柳橋城(茨城県古河市)

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第百十五話、柳橋城(茨城県古河市)

こちらは第百十四話の山田城の対岸にあった古河公方家臣、柳橋(やぎはし)豊前守の居城とされている城跡でございます。 ただここも、近くの城の例に漏れる事無く遺構はすっかり消滅しておりまして、推定地は東に傾斜の付いた畑になっておりました。 まったくなにも有りません。 近くには愛宕神社があり、おそらくですが城跡付近には神社や仏閣が建ち並ぶことが多いので、この近くに柳橋城があったのは間違いないんでしょう。 そうそう、この柳橋付近ではちょっとした合戦話がありました。 北條氏と上杉氏との間に起った小田原攻めのおり、一時期古河公方義氏の居城となっていた関宿城には結城晴朝が援軍として入城した事がありました。 このとき上杉氏と結託していた佐竹氏と多賀谷氏が結城城の隙を狙って攻めて来たのですが、知らせを関宿城で受けた結城晴朝は公方義氏に結城城防衛の為に暇乞いを申し出ます。 義氏に許可されて晴朝が自城に戻る途中、なぜか関宿城に居た味方であるはずの梁田氏(これは関宿梁田氏とは別勢力になっていた分家梁田家か?)が、結城晴朝の離反と勘違いして同士討ちを始めた事がありました。 これが柳橋合戦というようなのですが、どうやら柳橋城の近くでおこなわれていたようでございます。 残念ながら合戦場跡も全く分からない状態ですので現地に行かれても得るものがないかもしれませんが、古道を見つけ、旧長井戸沼の波打ち際を歩きながら地形を推測してオリジナルの合戦場を推測するのも面白いかもしれませんよ。 古河公方家臣柳橋豊前守の居城である柳橋城。 近くにある小堤城や山田城、長井戸城などと共に散策されると古河公方勢力がどの方面と敵対していたのか分かるかもしれませんぞ。 image=485640934.jpg
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