第百十八話、館林城(群馬県館林市)

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お久しぶりの百銘城は群馬県の館林城をご紹介いたしましょうか。 まずこちらは、館林市役所がその敷地内に建てられており、三の丸駐車場から伸びる橋を越えた先には城沼が満々と水を湛え、その脇には躑躅ヶ丘公園が整備されております。 ちょっとした観光地といった風情の城跡でございますよ。 また、本丸跡付近には向井千秋記念こども科学館があり、並びには田山花袋記念文学館や道路を隔てた先には県指定重要文化財旧上毛モスリン事務所などが建ち並んでおりますぞ。 で、肝心の城跡は残ってるのか?が非常に重要な所ですが、どうやら本丸跡地以外は粗消滅しておるようでございました。 資料館兼図書館への入り口付近の道路わきに館林城跡の石碑がぽつんとあって、そこは土塁のように土が盛り上がっておりましたが昔からあった土塁ではなさそうな雰囲気がぷんぷんしております。 でもまぁ、市役所の敷地内を進んで参りますと、江戸時代的な白塗りの壁が現れ、館林城の城門が出迎えてくれますので城(建築物)マニアには嬉しい史跡かと思われます。 さて、このお城の歴史を紐解いてみましょうか。 まずよく伝わっているのが、このお城を建てた時の逸話です。 建築主は赤井但馬守照光と伝わっており、そのときに狐の尾曳伝説なるものが生まれているんですね。 どんな伝説かと申しますと、赤井但馬がこの地に城を建てようとやって来た時、目の前に子狐が現れました。 なんだこの狐は?と訝る赤井但馬でしたが、実はこの狐、お稲荷さんの化身だったそうで、折角城を造るならばと但馬に地形を教えたらしいんですね。 このとき尻尾を曳いて「こっちだよー」と教えた事から「尾曳伝説」なんだとか。
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