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「本当ですか?嬉しいっ」
満面の笑みを浮かべる女の子はキラキラと太陽のように輝いていて。
不覚にもキュンとした。
「あたし結芽(ゆめ)って言います。高1です」
「えっ、年下!?」
あまりにも物腰の低い彼女だからてっきり年上かと思っていたあたしは、ギョッとする。
「結芽って呼んで下さいね」
「あ、あたしは愛梨って言います。ゆ、結芽ちゃんより1個上、です」
しっかりしている結芽ちゃんより年上なんて恥ずかしくて、せめてもの見栄張りに背筋だけをピシッと伸ばした。
「愛梨さん……名前まで可愛い」
「いやいや、可愛いのは結芽ちゃんですから」
思いっきり手を左右に振りながら、いつものノリで突っ込んでしまう。
しまった、と思ったけれど、結芽ちゃんは相変わらずニコニコしていて、ホッと胸を撫で下ろした。
「あたしの方が年下です。敬語は必要ないですよ」
「あ、じゃあ結芽ちゃんも敬語いらないよ!
あたしそういうの慣れてないから、タメ口の方が助かるな」
「本当ですか?
じゃあ……あーちゃん、って呼んでもいいですか?」
「あ、あーちゃん……うん、いいよ」
初めて呼ばれるあだ名の種類にキドキしながら頷くと、結芽ちゃんは両手を胸の前で合わせ、ピョンピョンと足を浮かせた。
可愛いすぎる……!!
初対面であったとはいえ結芽ちゃんとは仲良くなれる、そんな確信があたしの中にあった。
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