光の届く先

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お祭りでしょ、プールでしょ、川でしょ……あとは…… 行事を思い浮かべながら指を一つずつ折っている時、サキが下から覗き込んできて目が合った。 「でも夏休み長いから、如月君に会えないのは寂しいね?」 「はっ……!!」 そうだった……! 休み中は、蒼に会えないんだ。 その現実を理解すると膨れ上がり盛り上がった気持ちは、ジェットコースターを下る時のように急下降して萎んでしまった。 あからさまにシュンとするあたしを見て、サキは「あ」と言葉を漏らす。 「夏休み初日、前言ってた試合あるよ。 来るでしょ?」 サキの言葉が女神様の囁きに聞こえた。 自分の瞳がキラキラと輝くのが分かる。 「うんっ!行く!!」 蒼に会いたい。 1日でも、一目でも多く会いたい。 急速にあたしの体中に蒼の色が広がり、満たし始める。 「ごめんサキっ。 あたしちょっと行ってくる!!」 「行ってらっしゃーい」 蒼を思い出したら、今すぐ会いたくなった。 その気持ちがあたしにアクセルをかける。 教室の開けっ放しのドアを潜り抜け、いつものように足を大きく踏み出した。
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