光の届く先

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「ほ、補習!?何で……っ」 「何でってお前、この前の期末テスの点数思い出してみろ」 「……平均並だったはず」 あたしの頭脳にはテストの点数なんて記憶しておらず曖昧に答えると、担任に丸めたプリントでスコーンッと頭をたたかれた。 「数学、28点だっただろうが」 「うっそ……!!」 「夏休み中一週間の補習の後、もっかいテストするからな」 「えぇーっ!?夏休みなくなっちゃう」 「日頃サボってるお前が悪いんだろうが」 担任の言葉に一気に地獄に突き落とされたような気分になる。 数学難しいんだからしょうがないんだよ。 あんなのできなくたって、将来困らないじゃない…… 内心、数学に対する不満を悶々と並べ、せめてもの言い訳を口にする。 「先生ぇ、それは困る。 確かに数学嫌いですけど、あたしなりに精一杯やったんです…… それに夏休みは青春するのに忙しいのっ!!」 手を目の下に当て泣き真似をするあたしの頭に、さっきより強くプリントが落ちてくる。 「いたっ」 「これはもう決定事項だ」 「……そんなぁ~」 「また詳しい事はプリント渡すからな」 その言葉を残し、あたしの前からそそくさと姿を消す担任。 ひどい、ヒドすぎる…… その後ろ姿を恨めしく見ていると、肩にポンっと何かが乗った。 今度は何だと、涙目のままゆっくりと振り向くと。 「桃井、夏休み補習なの?」 「あっ、蒼!?」 そこには暑いのに爽やかな笑顔を浮かべた、蒼が立っていた。
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