光の届く先

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キュンと音を立て、あたしの胸に広がる、恋の色。   スキ、好き、大好き 溢れ出して止まらなくなる。 蒼が好きで堪らない。 「……ありがとうっ」 「ん」 心を支配する気持ちをなんとか抑制しお礼の言葉を口にすると、蒼は満足そうに微笑んだ。 「どうしよっか?家来る?」 「え、えぇっ!?」 蒼の、家!? 凄く行ってみたい……! 2人っきりの密室。 もしかしてもしかして、何かハプニングが起きちゃうかも……!? 一気に妄想が始まり、つい顔に出てしまいそうになるのを必死に力を入れて我慢していると。 「ハハッ、冗談だよ」 と、なんとも残念なセリフが耳に突き刺さる。 なんだ…… 冗談か。 かなりの勢いで肩を落としたあたしは、「はは、だよね」と乾いた笑いしか出せなかった。 「市立図書館使う?」 「あ、うん!」 「決まり。あとから桃井の連絡先教えてな!」 蒼がそう言うと同時に、あたし達の間に予鈴のチャイムが鳴り響いた。    もう、またか…… いつも蒼と話せる時間は短い。 ……でも。 勉強会の時は長く居られる、よね。 「戻ろっか」 あたしははやる気持ちを抑えながら、爽やかな笑顔を浮かべる蒼に頷いた。
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