光の届く先

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「あーちゃんとお話したいな、と思って」 首を斜めに傾け、チワワみたいなクリクリな瞳で見つめる結芽ちゃんに、きゅんとする。 もう結芽ちゃん、本当に可愛い……!! 早く帰って勉強する予定だったんだけど…… 今のあたしにはNOと言える技量を持ち合わせていない。 「じゃあ、ちょっとお邪魔しようかな」 控え目に笑顔を向けると、パァァアと花が咲いたように目をキラキラさせる結芽ちゃん。 「ありがとうあーちゃん。家すぐなんだ」 あたしの手をグイッと勢い良く引きズンズンと足を進める結芽ちゃんに、おずおずと付いていくしかないあたし。 えっと、えっと。 どうなってるの? 結芽ちゃんとは確かに友達になったけど あの時に連絡先を交換しただけで、あれから音沙汰もなく、勿論会った事もなくて。 いきなりの展開に頭がついて行かず、ただただ引っ張られるまま足を動かし結芽ちゃんの後ろ姿を見ていた。 「ここなの」 「わぁ……っ!」 結芽ちゃんが立ち止まったのは住宅街に似合わない大豪邸の前で、あたしの口からは思わず言葉が漏れた。
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