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蒼はモテる。
この事実は蒼を好きになる前から分かっていた事。
２年生にしてバスケ部のエース。
運動神経がいいのはもちろん、ルックスもみんなを惹きつける要素満載。
178㎝の長身。
くっきりした目鼻立ち。
柔らかそうな、ふわふわした毛質。
極めつけは人柄の良さ。
いつもニコニコしていて、周りを気遣える。
蒼の周りには、自然に人が集まるんだ。
クラスも違う蒼に接触するために、あたしはいつも走り回っている。
「……うん」
視界を下ろしながら力なく返事をすると、肩にポンッと手がふってきた。
「コラ、そんな顔しない。
愛梨の良いところは元気な所だよ？」
「……サキ」
満面の笑みを浮かべるサキは太陽の光を沢山浴びて、キラキラと輝いていて目を奪われる。
……あたしもキラキラしていたい。
「……うんっ！
頑張る」
思いっきり歯を浮かせ、あたしはもう一度勢い良く空を仰いだ。
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